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治験ってなあに?

ひとつのお薬が誕生するには9~17年もの長い研究開発期間を必要としています。その間にさまざまなテストを繰り返し、効き目の確認と安全性の評価が行われますが、最後の段階で患者さんのご協力をいただいて行われるテスト、それが「治験」です。いま私たちが病気やけがの治療に使っているお薬は、多くの患者さんのボランティアによる治験を経て誕生したものです。


新しいお薬の開発によって、それまで治らなかった病気が治り、手術をしなくてもすむようになりました。しかし、全ての病気が治せるようになったわけではありません。今も健康や生命を脅かす病気があり、それらに対して有効なお薬の開発を待ち望んでいる患者さんが数多くおられます。そのため、効き目があって副作用の少ない新しいお薬の開発が世界中で続けられています。これらの新しいお薬もまた、あなたの参加される治験から生まれ、未来へと受け継がれていきます。

治験Q&A

Q1:治験って怖いイメージ・・・
A: たとえば、「断りにくい」「副作用が心配」・・・といった気持ちから「怖い」というイメージに結びついているのかも知れません。治験への参加を希望される患者さまには使用するくすりの効き目や副作用などについて、わかりやすく説明をいたします。どんな小さなことでも担当医師や治験コーディネーターにご相談ください。
Q2:誰でも治験に参加できるの?
A:治験には参加条件があります。その理由は参加を希望される方の健康状態に配慮しているためです。そのため診察や検査の結果、担当医師の判断により参加できないことがあります。
Q3:治験は安全なの?
A: すでに販売されている薬でも、副作用の危険性には常に配慮しておく必要があります。治験では安全を優先し、患者さまはいつでも担当医師や治験コーディネーターなどに相談できるようになっています。また病院は副作用が発生した場合には、ただちに適切な処置が行える体制を整えておくことになっています。病院内には受託研究審査委員会が設置され、治験を引き受けるかどうかが検討されるとともに、定期的に治験の安全性がチェックされています。更に治験は、安全の確保と人権保護のために法令化された治験の実施の基準(GCP)に基づいて計画、実施されています。このように治験は二重、三重の安全への配慮のもとに行われます。
Q4:治験に参加するかどうか、すぐに決めないといけないの?
A: いいえ。担当医師などから治験についての説明を受けた後、説明文書を持ち帰ってご家族などで十分に相談してから決めていただくことができます。
参加を断っても、その後の治療がおろそかになったりすることは決してありませんのでご安心ください。
Q5:治験に参加するメリット(利点)は?
A: 治験への参加の基本は、患者さんの善意に基づくボランティア(無償の行為)です。治験中は専門医による検査と、経過についての詳しい説明を受けることができます。ご自分と同じような病気や怪我で苦しむ人々の治療方法の開発に貢献ができ、また新薬が従来の薬よりも患者さんに合うこともあります。
Q6:治験に参加するデメリット(不利益)は?
A: 患者さんによって違いがありますが、通院や検査に時間がかかる場合があること、治験のスケジュールや注意事項を守らなければならないこと、新薬が患者さんによっては効果がなかったり、予期しない副作用の可能性もあることなどです。これらのことは担当医師から説明がありますので、了解のうえで参加していただくことになります。
Q7:治験の期間はどれくらい?
A: 治験の期間は治験ごとに異なります。数週間の場合もあれば数年におよぶ場合もあります。
Q8:途中でやめることはできるの?
A: はい。治験への参加は患者さまの自由意思ですので、いつでも担当医師に言ってやめることができます。やめた場合でも患者さまに不利益となる扱いを受けることはありません。ただし自己判断でやめてしまうと体に悪い影響が出る場合もありますので、必ず事前に担当の治験コーディネーターにご相談ください。
Q9:治験に参加すると費用はかかるの?
A: 治験に参加している期間中の検査費や治験薬、また一部のお薬の費用は製薬会社が負担しますのでこれらの費用を差し引いた費用のうち、保険で支払われる分を差し引いた金額をご負担いただきます。治験に参加すると、検査・診察のため来院する回数が通常よりも多くなることがあるため、治験に参加される方の通院などの負担を少しでも軽減する目的で「負担軽減費」が支払われます。初診料や治験終了後の診察費などについては通常通りの負担となります。
Q10:プライバシーは守られるの?
A: 治験に限らず、患者さまのプライバシーや人権保護は国の法律によって守られており、個人情報が外部に漏れることはありません。更に、治験においては治験の実施の基準(GCP)によっても治験に参加される方のプライバシーや人権を守ることが定められています。

現在実施中の治験

令和6年3月1日現在

当院では、現在下記の疾患等を対象とした治験(製造販売後臨床試験)を実施中です。

詳細については、お気軽に受託研究管理室へお問い合わせ下さい。

治験等には、目的に応じてそれぞれ参加の基準があります。

基準に合わない場合や、担当医師が患者様の安全や健康を考え、参加いただけない場合がありますのでご了承下さい。

治験/製造販売後臨床試験
消化器・血液内科
No. 対象疾患等 剤形 実施期間
(和暦/年)
1 潰瘍性大腸炎
治験から製造販売後
臨床試験へ移行
内服 III H28~継続中
2 潰瘍性大腸炎 注射 III R3~継続中
3 潰瘍性大腸炎
治験から製造販売後
臨床試験へ移行
注射 III R2~継続中
4 潰瘍性大腸炎 注射 II b / III R2~継続中
5 潰瘍性大腸炎 内服 II b R4~継続中
6 潰瘍性大腸炎 内服 II R5~継続中
7 潰瘍性大腸炎 内服 III R5~継続中
8 潰瘍性大腸炎 内服 II / III R5~継続中
9 クローン病 注射 III H30~継続中
10 クローン病 注射 III R1~継続中
11 クローン病 注射 III R4~継続中
12 クローン病 注射 II b R4~継続中

治験等実績一覧 治験・製造販売後臨床試験

H17年4月以降の実績は以下の通りです。

令和6年3月1日現在
治験
No. 対象疾患等 剤形 実施期間
(和暦/年)
1 軽度低栄養 注射 III H19~H20
2 クローン病 注射 II H24~H26
3 クローン病 注射 II H24~H28
4 (小児)潰瘍性大腸炎 注射 III H25~H27
5 (小児)クローン病 注射 III H25~H26
6 クローン病 経口 III H24~H26
7 潰瘍性大腸炎 注射 III H25~H27
8 潰瘍性大腸炎 経口 III H25~H27
9 潰瘍性大腸炎 経口 III H25~H28
10 潰瘍性大腸炎 経口 III H25~H30
11 クローン病 注射 III H24~H28
12 潰瘍性大腸炎 注射 II / III H28
13 クローン病 注射 III H25~H26
14 クローン病 注射 III H25~H26
15 クローン病 注射 III H26~H29
16 潰瘍性大腸炎 注射 III H26~H29
17 潰瘍性大腸炎 注射 III H27~R4
18 潰瘍性大腸炎 内服 II / III H28~R4
19 潰瘍性大腸炎 内服 III H30~R3
20 潰瘍性大腸炎 注射 I H29~H30
No. 対象疾患等 剤形 実施期間
(和暦/年)
21 潰瘍性大腸炎 内服 II H29~H31
22 クローン病 内服 III H30~R3
23 クローン病 内服 III H30~R3
24 クローン病 内服 III H30~R4
25 潰瘍性大腸炎 内服 III H30~R4
R4.4 製造販売後
臨床試験へ移行
26 潰瘍性大腸炎 注射 III H30~R3
27 潰瘍性大腸炎 注射 III H30~R4
28 クローン病 内服 II H30~R6
29 潰瘍性大腸炎 内服 II H31~R3
30 潰瘍性大腸炎 内服 III R1~R2
No. 対象疾患等 剤形 実施期間
(和暦/年)
1 肺がん イレッサ錠
※製造販売後臨床試験
内服 H17~H19
2 細菌性肺炎 経口 III H19~H21
3 気管支喘息 注射 III H26~H27
4 慢性閉塞性肺疾患 (COPD) 吸入 II / III H28~H29
5 非小細胞肺癌 (NSCLC) 注射 III H25~H30
6 非小細胞肺癌 (NSCLC) 注射 III H27~H29
7 非小細胞肺癌 (NSCLC) 注射 III H27~H29
8 非小細胞肺癌 (NSCLC) 注射 III H28~R1
9 非小細胞肺癌 (NSCLC) 注射 III H29~R5
10 非小細胞肺癌 (NSCLC) 注射 III H30~R5
No. 対象疾患等 剤形 実施期間
(和暦/年)
1 細菌性肺炎 経口 III H18~H19
2 部分てんかん トピナ錠
※製造販売後臨床試験
経口 H20~H23
3 てんかん 経口 III H22~23
4 てんかん
(長期投与試験)
経口 III H23~H26
5 RSウィルス 経口 I H27~H30
6 RSウィルス 経口 II H29~H30
7 RSウィルス
(長期フォローアップ試験)
II H30~R2
8 RSウィルス 経口 II H29~H30
No. 対象疾患等 剤形 実施期間
(和暦/年)
1 人工膝関節全置換術後の
静脈血栓塞栓症予防
経口 II H18~H20
2 人工膝関節全置換術後の
静脈血栓塞栓症予防
経口 II / III H21~H22
3 人工膝関節全置換術後の
静脈血栓塞栓症予防
経口 II / III H21~H22
4 股関節骨折手術後患者様
あるいは下肢手術後患者様の
静脈血栓塞栓症予防
経口 III H21~H22
5 手術後疼痛 経口 III H22
6 変形性関節症 注射 II / III H29~R1
No. 対象疾患等 剤形 実施期間
(和暦/年)
1 骨盤内炎症性疾患 注射 III H21~H22
2 骨盤内炎症性疾患 注射 III H23~H25
3 子宮筋腫 内服
注射
II H27~H28
No. 対象疾患等 剤形 実施期間
(和暦/年)
1 非弁膜症性心房細動 経口 III H19~H21
No. 診療科 対象疾患等 剤形 実施期間
(和暦/年)
1 消化器科
呼吸器科
癌性疼痛 貼付 III H18~H20
2 呼吸器科
消化器科
耳鼻科
産婦人科
癌性疼痛 貼付 II / III H19~H20
癌性疼痛 貼付 III H19~H20
3 呼吸器科
産婦人科
外科
泌尿器科
癌性疼痛 経口 III H20~H21
癌性疼痛 経口 III H22~H24
4 呼吸器科
消化器・血液内科
癌性疼痛 経口 II H25~H26
III H25~H27
がん疼痛 経口 III H26~H28
注射 II / III H26~H28
5 呼吸器科 がん疼痛 外用 II / III H27~H28
外用 III H27~H28