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当院受託研究審査委員会の姿勢

当院では年間5件、28症例(過去3年間の平均)の治験が実施されています。これらの治験の実施に先立ち、また、経過の中で、毎月1回開催される受託研究審査委員会(IRB)では、その実施の可否について、あるいは、継続の可否について審議されています。

さて、当院のIRBですが、その基本姿勢は「積極的に治験を進める。さあ、それにあたって、治験参加者への危険や不利益はないか、倫理的な問題はないか」です。これは、治験の実施を「可」とすることを前提に審議されるということで、一見、公平性を欠いているようにみえますが、治験の意義を考えますと、決して偏った考え方とは言えません。なぜなら、偏る、ということは、2つ以上の考え方があるのに、はじめから、その一つを支持する側に立つことで、治験については、余程、独特の考え方をしている少数の人以外は、進めて欲しいと思っているからです。ちょうどこれは、山に木を植えようかどうかということについて議論することと似ています。木を植えることには、皆、賛成なのです。だから、それをどのように進めていくか、すなわち、何の木を植えるか、どの場所に、いつ植えるか、どのように管理するか、を考えればよいのです。

そこで、当院IRBでの審議の中心は、その治験薬を投与する(器具を使用する)ことが患者さんに苦痛や危険を及ぼさないか、副作用等の発生を知る手段は十分か、問題が発生したときの対応はどうか、ということになります。説明にあたる治験責任医師が返答に窮することも無いわけではありませんが、大体は問題なく承認されています。これは、治験依頼者、治験実施者が、治験のあり方について深く理解しているからに他なりません。どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。当院で、良質な治験が多く実施されることを願っています。